2013年1月23日水曜日

南シナ海の領有権問題

読み方:みなみシナかいのりょうゆうけんもんだい
別名:南シナ海領有権問題
別名:南シナ海問題

南シナ海の海域と、その中ほどに位置するスプラトリー諸島(南沙諸島)などの島嶼の領有権をめぐる一連の問題。もっぱら中国と、ASEAN加盟各国とが対立している状況を指す。

スプラトリー諸島は、居住地として魅力のある島ではないが、周辺の海域に膨大な量の石油や天然ガスが埋蔵されていると見られている。

南シナ海は、北に中国、北東に台湾、東にフィリピン、南にブルネイ、南西にマレーシア、西にベトナムが位置する、四方を囲まれた海域である。この6ヵ国はそれぞれ南シナ海の海域の領有権を主張している。とりわけ、中国は南シナ海の海域の大部分を中国領であると主張して、自国の地図に「U字ライン」や「牛の舌」、「赤い舌」と通称される大きな境界線を引くなどしており、これに他の国々が反発する格好となっている。

ASEAN諸国は2002年に「南シナ海行動宣言」を発表し、武力衝突などを阻止するためのガイドラインとした。しかし、その後も中国はフィリピンの漁船を攻撃するなどの、実効的支配の事実を作るためと思われる行動を度々おこしており、紛争の種となっている。2011年から2012年にかけて、ASEAN諸国は法的拘束力を有する「南シナ海行動規範」の策定のため、協議を進めた。しかし2013年1月現在、南シナ海行動規範の締結までは至っておらず、揉めた状況が続いている。

2013年1月22日には、フィリピンが中国を相手取り国際裁判所(常設仲裁裁判所)に提訴する意向を表明した。

2016年7月12日、常設仲裁裁判所は中国側の主張を全面的に否定する判断を下した。