2011年7月27日水曜日

腸管出血性大腸菌O-104

読み方:ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきんオーイチゼロヨン
別名:病原性大腸菌O-104
別名:O-104

病原性大腸菌の一種。「O-157」「O-111」と同じ腸管出血性大腸菌であり、「O抗原」の差異によって区別されている。

腸管出血性大腸菌O-104、O-157、O-111などは基本的な働きはおおむね同じであり、ベロ毒素を生産することによって大腸の粘液細胞を破壊・死滅させ、出血性の激しい下痢を引き起こし、溶血性尿毒症症候群(HUS)などを併発させる。さらに、他の一般的な食中毒の原因菌と比べて、感染力が非常に強い点も共通している。

2011年5月、ドイツで腸管出血性大腸菌O-104に感染したと見られる食中毒患者が続出した。2011年6月2日までに十数名が死亡しているが、感染源が特定されておらず、スペイン産の野菜が深刻な風評被害を受けるなど、市場に大きな混乱を招いている。また、6月2日にWHO(世界保健機関)が発表したところでは、ドイツで感染を広げているO-104はこれまでに人から検出されたことのない変異体で、致死性の高い新種と見られている。「O-104」による食中毒は、5月下旬を中心に52人の死者を出したが、感染源は特定されていない。7月26月日には腸管出血性大腸菌の流行は終息したとの宣言が出された。

日本ではその前月である2011年4月に「腸管出血性大腸O-111」による集団食中毒が発生、4人が死亡する事件が起きている。

関連サイト:
腸管出血性大腸菌(EHEC)感染患者の急増に関する注意喚起について - 在ドイツ日本国大使館