2011年7月5日火曜日

レアアース資源泥

英語:deep-sea mud as a potential resource for rare-earth elements

深海に堆積した、レアアースを高濃度で含有した泥。2011年7月、東京大学の研究グループが太平洋レアアース巨大鉱床において発見したと報告した。

レアアース資源泥は、深さ2500メートルから6000メートル程度の深海の海底に堆積し、数メートルの厚みを成している。見た目は普通の泥で、海底に広範囲に分布する。海底山脈が熱水活動によって鉄などの酸化物を放出し、それが海水中のレアアースを吸着して高濃度のレアアース資源泥となり、堆積したのではないかと推測されている。

レアアース資源泥は堆積した泥であるため、深海底にあるという点を除けば、吸い出すだけで採取でき、泥からのレアアースの抽出も容易であるという特長がある。総埋蔵量は陸上埋蔵量の1000倍とも言われる。

発表時点で発見されたレアアース資源泥は大半が公海に存在しており、自由に採掘するわけにはいかないが、市場に供給されるレアアースの95パーセント以上が中国から供給されている状況を打開しうる発見として、レアアース資源泥は注目を集めている。

関連サイト:
「全く新しいタイプのレアアースの大鉱床を太平洋で発見」 - 東京大学