2011年11月16日水曜日

薬剤耐性マイコプラズマ

読み方:やくざいたいせいマイコプラズマ

肺炎を引き起こす細菌「マイコプラズマ」のうち、従来効果があるとされてきた薬剤に耐性のある菌(耐性菌)。

単に薬剤耐性マイコプラズマと言った場合には、「マクロライド系抗生物質」に対する耐性のある「マクロライド耐性菌」を指す場合が多い。

マイコプラズマ肺炎には、他の一般的な細菌性肺炎において抗生物質として用いられる「ペニシリン」が有効に作用しない、という特徴がある。その代わりに用いられるのが「マクロライド系抗生物質」や「トラサイクリン系抗生物質」である。とりわけ、目だった副作用がないことから「マクロライド系抗生物質」が第一選択薬として用いられることが多い。

しかし、近年ではマクロライド系抗生物質で症状を抑えることができないマイコプラズマ肺炎の症例が多数報告されており、医療機関などに注意が呼びかけられている。

薬剤耐性マイコプラズマは2000年頃に確認され、以後日本各地で検出・確認されるようになったとされる。野生のマイコプラズマの十数パーセントが耐性菌であると言われている。

なお、マクロライド耐性菌には、同じくマイコプラズマ肺炎で抗生物質として用いられるテトラサイクリン系抗生物質などを使用することができる。

関連サイト:
マイコプラズマ肺炎の抗菌薬治療 - 国立感染症研究所感染症情報センター IASR Vol.28
薬剤耐性マイコプラズマの現状と今後の展望 - 栄研化学株式会社