2013年10月31日木曜日

原子炉級プルトニウム

読み方:げんしろきゅうプルトニウム
別名:原子力級プルトニウム
英語:reactor-grade plutonium

核燃料物質であり核兵器原料でもあるプルトニウムのうち、原子力発電所の核燃料などから取り出されたプルトニウムのこと。

原子炉級プルトニウムは、核兵器に使用する目的で生成される「兵器級プルトニウム」(weapons-grade plutonium)と対比される。もっぱら、使用済み核燃料に含まれるプルトニウムを核兵器として転用可能か、非核保有国が核兵器を製造できるかどうか、が話題の焦点とされる。

プルトニウムをはじめとする放射性物質には、複数の同位体がある。この同位体の比率・濃度は爆弾としての性能や製造効率を左右するが、核兵器原料として使用するには「プルトニウム239」と呼ばれる放射性同位体が少なくとも90パーセントを超える高純度で含まれる状態にする必要がある。これは、通常の原子炉から取り出したプルトニウムからは生成困難なレベルであるとされている。

日本では原子炉級プルトニウムから兵器級プルトニウムを生成することは困難とする見方が一般的とされていたが、2013年10月に、米国が1970年代に既にこの見解が妥当でない(原子炉級プルトニウムから兵器級プルトニウムを製造することは可能) と日本側に通達していたことが報道されている。

関連サイト:
原子炉級プルトニウムと兵器級プルトニウム調査報告書 - 社団法人 原子燃料政策研究会