2015年1月16日金曜日

ヘイトスピーチ

別名:憎悪表現
別名:ヘイト表現
英語:hate speech

特定の対象(人物や集団)に対する敵意や憎悪を、過激な表現を用いて直接に示す言動の総称。

ヘイトスピーチは、多くの場合、人種・国籍・社会的立場・宗教・LGBTなどの要素(を持つマイノリティ集団)に対する差別的な意識の表れとして生じる。そして「異分子を排斥せよ」「異分子は出て行け」といった苛烈なメッセージによって表現される。

ヘイトスピーチは必ずしも暴言や罵詈雑言といった言語表現のみを指すものではなく、敵対する対象を貶めたり対象への憎悪感情を煽ったりする表現全般を含む。表現方法(手段や媒体)を問わず、例えばウェブ上の電子掲示板における書き込み、街頭でのビラの配布、デモ活動など、あらゆるパフォーマンスが(内容によっては)ヘイトスピーチに該当し得る。

ヘイトスピーチは、それ自体がすでに暴力的・攻撃的な行為といえるが、憎悪感情が昂じて直接の暴力(対象に危害を加える行為)に結びつくこともある。憎悪や差別意識を動機として行われる犯罪行為は「ヘイトクライム」(憎悪犯罪)と呼ばれる。

ヘイトスピーチは人権侵害に直結する行為であり、あってはならないことであるといえる。しかしヘイトスピーチも言論である以上、これを一律に禁止してしまえば今度は言論の自由が脅かされかねない。そのため、ヘイトスピーチに関する扱いは国などの行政主体によって違いが生じている。西欧諸国などはヘイトスピーチの何たるかを定義した上で法的に禁じている場合も多いが、米国や日本などは特別に法的な規制措置を設けていない。

日本においては、もっぱら在日朝鮮人(在日韓国・朝鮮人)がらみの話題においてヘイトスピーチが問題に上る。とりわけ2014年頃にはヘイトスピーチは社会的な問題のひとつとして各メディアでも多く取り沙汰されるようになった。大阪府のなどではヘイトスピーチの禁止措置(ヘイトスピーチ規制条例)の導入を求める活動なども起こっている。