2015年1月29日木曜日

労働マルチ

読み方:ろうどうマルチ

「努力して成功すれば儲かる」といったうたい文句で求職者を募っているが、実際には到底儲かる職務・労働環境ではなく、上層部が労働力を吸い上げているに過ぎないような、悪質な労働・業態・事業者などのこと。

労働マルチは、商品販売における「マルチ商法」から「労働力をマルチ商法的に吸い上げる」やり口、と説明される。マルチ商法は商品販売や加盟員の勧誘によって金や人脈を吸い上げる仕組みになっているが、労働マルチは従業員の労働力そのものを吸い上げる仕組みになっている点を特徴としている。どちらも利益は努力次第で得られるという考え方を基調としており、いくらがんばっても利益が得られないのは努力が足りないからだという論点を武器としている。


労働マルチの求人広告には「やる気と努力次第で高収入が得られる」「やりがいのある仕事」といった表現が多用される。内容は曖昧だが、ある種の射幸心を煽るといった要素が指摘されている。実態は、労働基準法にぎりぎり抵触しないような長時間で成果の出にくい労働である。

AiDEM「人と仕事研究所」の記事では、労働マルチを「やりがいの搾取」と形容している。

関連サイト:
若者を食い物にする労働マルチ 甘い言葉で誘い、違法な低賃金・長時間労働 - ビジネスジャーナル ブラックの境目 - AiDEM 人と仕事研究所