2015年4月30日木曜日

龍柱

読み方:りゅうちゅう
別名:龙柱
英語:dragon pillar

龍をかたどった彫刻がほどこされた柱。建築物を支える柱が梁に龍が彫られたものを指す場合もあるが、頂部に龍の頭が置かれた単独の彫刻を指す場合も多い。

龍は中国文化において王の象徴とされる霊獣である。「中国皇帝の象徴」と説明される場合も少なくない。中国・台湾の寺社や廟などでは、華美壮麗な龍が彫られた龍柱が多く見られる。

日本で龍柱といえば、もっぱら、沖縄県の首里城にある複数対の龍柱、および、那覇市若狭沿岸の緑地における(2015年4月現在では建設途中の)巨大な一対の龍柱を指す。

首里城の正殿には、正面入り口部分の階段の両脇に「大龍柱」「小龍柱」と呼ばれる各一対の龍柱があり、正殿内の「御差床」(うさすか)すなわち玉座の傍にも一対の龍柱が置かれている。いずれの龍柱も通路を挟んで向き合うように置かれており、阿吽の相を示している。

沖縄県那覇市では2010年代初頭から、若狭沿岸の緑地に、高さ15メートルに上る巨大な龍柱を那覇の新しいシンボルとして設置する計画が進められている。同事業は那覇市長を経て沖縄県知事に就任した翁長雄志が音頭を取って推進したものとされる。なお、那覇市は中国・福州市と姉妹都市定提携を結んでおり、翁長雄志は福州市の名誉市民である。龍柱の像の制作そのものは2014年内に終了しており、2015年4月末現在では設置を待つばかりの状況となっている。

若狭緑地に設置される巨大な龍柱は、制作のほとんどの工程が中国側に発注されており、建造費用は2億円を超える、その費用は沖縄振興一括交付金によってまかなわれている。このため「日本の税金を中国に貢いでいるだけだ」と指摘する声も挙がっている。龍柱がほぼ中国からの来訪を迎え入れる向きに設置されることもあり、まるで朝貢だといって非難する声もある。

関連サイト:
首里城正殿内部と内部の彫刻 - 首里城公園