2016年10月12日水曜日

過労死ライン

読み方:かろうしライン

過労死に直結する健康障害リスクが高まると見なされている時間外労働時間の通称。具体的には「時間外労働時間数が月平均80時間を超過している勤務状況」と規定されることが多い。

過労死ラインを月平均80時間超とする規定は、2001年の厚生労働省の通達に根拠が求められる。

同通達は過労死の原因となりうる(労災認定の対象となる)疾患の発生と労働との関係について、「発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できる」との見解を示している。

過労死の原因として想定されている疾患は「脳血管疾患及び虚血性心疾患等」、つまり脳梗塞、くも膜下出血、心筋梗塞といった急性疾患である。(脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について

2001年の厚生労働省の通達では、「1か月当たりおおむね80時間」の他にも、「発症前1か月間におおむね100時間」等の目安を提示している。時間外労働の時間が長くなればなるほど、業務と発症との関連性が強くなっていくとされ、特に時間外労働の時間が45時間を超えてくる辺りからこの傾向が認められるという。

政府は2014年に「過労死等防止対策推進法」を成立させ、同法第6条に基づき2016年10月に「過労死白書」(過労死等防止対策白書)を公表している。

関連サイト:
「過労死等防止対策白書」を公表します ― 厚生労働省 平成28年10月7日
いわゆる「過労死ライン」と呼ばれている、時間外労働時間数が月平均80時間というのはどの法律に根拠が示されているのか知りたい。 ― レファレンス協同データベース 2013年09月20日