2017年5月11日木曜日

脱時間給制度

読み方:だつじかんきゅうせいど

単純な時間労働でなく労働の成果に応じて報酬を支払う制度の通称。いわゆる成果型労働制、裁量労働制であり、ホワイトカラー・エグゼンプションの日本版制度である。日本政府は公式には「高度プロフェッショナル制度」と呼んでいる。

2017年5月現在、労働法の改正案が国会で審議されており、この改正案において脱時間給制度(高度プロフェッショナル制度)の導入が検討されている。

改正労働法案では、脱時間給制度を年収1075万円以上の高度専門業務に従事している労働者に対して労働時間ではなく成果によって賃金を支払う制度として検討されている。高度専門業務とは、研究開発、コンサルタント、金融業などの高度な専門知識を必要とする業務を指す。

脱時間給制度が導入されると、高度な専門技能を有する者が労働時間を基準とする縛りから解放され、自分のペースで業務を進めて効率化できるようになる、と期待される。他方、脱時間給制度は労働時間を超過して業務に従事しても残業手当・休日手当などの支給対象から外れることになるという懸念も指摘されており、反対派からは「残業代ゼロ法案」などと呼ばれることがある。