読み方:こうゆうみんえいほうしき
交通インフラの経営において、施設・土地などの所有と管理を自治体が引き受け、民間の事業者が乗務員や車両を管理し運行を行う官民一体の経営方式。公有民営方式では、自治体が所有する施設・土地を民間事業者へ無償で貸し付けることができるため、赤字経営が続く交通インフラの再構築のために導入されることが多い。
日本では、主に地方鉄道の再興に公有民営方式の導入が進められている。また、官民いずれかへ経営費用の負担が偏ることを防ぐため、自治体が所有する鉄道事業施設と用地の範囲は、各鉄道事業者と自治体の間での取り決めによって変動する。2009年、鳥取県の若桜鉄道が公有民営方式によって事業再構築を行った後は、自治体が線路を第三種鉄道事業者として所有し民間の鉄道事業者へ無償で貸し出す例が広がっている。
交通インフラの経営のうち、実際の運行業務や乗務員の管理は「上」、施設・土地などの保有は「下」と呼ばれる。公有民営方式では「上」と「下」の運営をそれぞれ民間事業者と自治体が担当するため、「公有民営方式による上下分離」と表現されることが多い。