「くるりポイ」は、食品スーパーなどで肉などを購入した後、店内で食品トレー等の包装を外してしまい、包装は店内に捨てて中身だけを持ち帰ろうとする、という行為の通称。2019年冬頃に当該行為が「くるりポイ」という呼び名でマスメディアに取り上げられ、世間的な迷惑行為として顕在化した。
くるりポイは、会計後にサッカ台で袋詰めを行う際に行われる。食品本体は包装のラップ部分で包み直したり、店舗に備え付けのポリ袋などに移したりする。食品トレー等の容器は店舗に備え付けのゴミ箱などに捨てる。
くるりポイを行えば(つまり食品トレーを捨ててから帰るようにすれば)、荷物も嵩張らないし、何より食品トレーを処分する手間が省ける。食品トレーは洗ってからプラスチックゴミに分別してゴミの日まで手元に置いておかなくてはならない。要するに面倒を省くことがくるりポイの動機である。
くるりポイの行為は店舗および当人以外の客にとっては迷惑以外の何ものでもない。その場に捨てられた食品トレーは、肉や魚や加工食品のエキスや油などが付着したまま放置されることになる。これが雑菌の温床となり、悪臭その他の衛生上の懸念を引き起こす。周りの客を不快にし、店の衛生上のイメージが損なわれる。もちろん始末も面倒である。
くるりポイは、自分は快適になるが、自分以外の皆は迷惑を被る。その限りにおいて、「自己中心的な迷惑行為である」という判断を覆すことは難しい。
他方、くるりポイを行う心理に理解を示し擁護する立場もある。そもそも食品が包装過剰なのだと指摘した上でトレー廃止を提唱する見解や、陳列のためにトレーが必要だとしても店内で捨てて帰ってよい仕組みを整備するべきとする見解なども聞かれる。
食品スーパー側も一部の食品ではプラスチック製の食品トレーを廃止して簡易包装にする等の対応が進みつつある。