2020年10月30日金曜日

句読点

読み方:くとうてん

句読点とは、文字言語において文章の区切りや文意の区切りを示すために付けられる符号である。「句点」と「読点」の総称。句点と読点のみを指す場合もあるが、疑問符、感嘆符、いわゆる約物の類を幅広く含む場合もある。

句読点は句点と読点の総称である。句点は「。」の符号であり、文の最後の終わりを示す。読点は「、」の符号を指し、文章の意味上・構造上あるいはリズム的な区切りを示す。句読点の配置いかんによって、同じ文章でも、読みやすさや分かりやすさに雲泥の差が生じる。

日本語の句読点に相当する符号は英語をはじめとする西欧言語でも用いられている。「句点」に相当する英語の符号はピリオド( . )、同じく「読点」に【相当する英語の符号はカンマ( , )である。ピリオドやカンマやその他の約物を総称する「句読点」を、英語では punctuation(パンクチュエーション)という。

中国語では、日本語の句読点に対応する符号を総称して「标点(biāodiǎn)」という。标点の中には日本語の句読点と形や用法が似るものもあるが、だいぶ違った使われ方をするものもある。

句読点の打ち方・使い方について、句点については「句点は文章の最後に打つ」「行頭に句点を置かない」といった基本的な規則があるが、これ以外には絶対的といえるほどの規則はない。「カギ括弧の中の文の最後には句読点を打たない」というルールは、文章技術としてはおおむね標準的なルールといえるが、絶対的にそうと決まっているとまでは言いにくい。

字数の都合で(行末で文が終わって)改行後の行頭に句点または読点が位置してしまうような状況では、あえて行長よりはみ出した位置に句読点を打つことが許される。これを「句読点のぶら下げ」という。

文章技術には「一文一義」という指針がある。これは一文あたり情報を一つだけ記すということである。言わずもがな文は句点によって示される。一文一義の実践には句読点の打ち方に対する意識の充実が欠かせない。

読点は、文を読みやすく分かりやすく整える手段として使える。たとえば、主語や長々しい場合、主語の後に読点を打つことにより、どこからどこまでが主語なのか分かりやすくなる。

句読点は読み手の息継ぎのポイントにもなる。音読した際の息継ぎする箇所を想定して読点を打つと、文章にメリハリが出て読みやすくもなる。

読点は文章の誤読(読み誤り)を防ぐためにも使われる。句読点を打つ位置が違えば、修飾語や修飾節がどの語に係るかという理解が大きく違ってくる。

私は、疲れた表情で駅で電車を待つ女性に話しかけた。
私は疲れた表情で、駅で電車を待つ女性に話しかけた。

あったかい、スープだね
あっ、たかいスープだね

句読点を上手に打つコツとしては、やはり読み手の立場で文章構造を考えるという点に尽きる。句読点は、文章を読みやすく分かりやすくするために打つ補助的な符号である。文章はどうしても書き手の独り善がりになりやすい。時間を置いて遂行すると文章を客観視しやすい。

音読をして読みやすいかどうかを確認するのも、読点の位置が適切かどうか判断するには効果的といえる。音読してリズムが整わない・気持ちの悪い文章は、たいていの場合、文字で読んでも気持ちが悪い。

読点は打ちすぎないように心がける必要がある。「私は、疲れた表情で、駅で、云々」というふうに、むやみやたらと読点を打つと、かえって読みにくく分かりにくくなる。

読点は一文の全体の中で配置を考える必要がある。勢いに任せて文章を記すと、語の係り方が不本意な解釈をされやすい格好になる場合がままある。「私は中国人で、中華料理店のオーナーの人と先日知り合いになった」とか。