2011年5月21日土曜日

バイナリー発電

読み方:バイナリーはつでん
別名:地熱バイナリー発電
別名:バイナリーサイクル発電
別名:バイナリーサイクル
英語:binary cycle

地熱発電において、水よりも沸点が低い液体をタービンを回す媒体に使用し、水では発電が難しい低温度の地熱でも発電可能にする方式である。

バイナリー発電では、低温の蒸気もしくは熱水を「加熱源サイクル」の中で循環させ、これとは別に、ペンタンなどの低沸点媒体を「媒体サイクル」の中で循環させる。加熱源サイクルが地熱から熱エネルギーを得て加熱し、媒体サイクルを温める熱源として供給する。媒体サイクルは加熱源サイクルの熱によって気化し、タービンを回転させる動力となる。ちなみにペンタンの沸点は36℃である。

バイナリー発電の「バイナリー」は元々「2つの」という意味であり、2系統の循環系を使用するという意味でこの名称が用いられている。

バイナリー発電が普及すれば、従来の技術では発電に向かなかった低温の地熱を持つ地域でも地熱発電が可能になる。地熱発電は再生可能エネルギーであり温暖化ガスの排出が極めて少なく、また風力・太陽光のように天候の影響をほぼ受けないというメリットを持っている。日本にもバイナリー発電に適した地域は多いとされており、期待されている。

関連サイト:
地熱バイナリー発電 - 西日本環境エネルギー研究所