2011年6月27日月曜日

ホウ酸水

読み方:ホウさんすい
別名:ホウ酸水溶液
英語:Boric acid solution

ホウ酸(BH3O3)の水溶液。弱酸性。毒性を持つため、害虫駆除のために用いられる。また、中性子を吸収する効果を利用し、原子炉で核分裂反応を制御するためにも用いられる。

2011年3月に東京電力福島第一原子力発電所で発生した原発事故では、事故発生直後に燃料棒が露出するという事態に至り、急遽、原子炉1号機に海水を用いたホウ酸水が投入された。海水は真水の代替で燃料棒を冷却するため、ホウ酸は、中性子を吸収して燃料棒の核分裂反応を抑制し、再臨界が生じるのを阻止するためのものである。

2011年6月には、原子炉3号機の使用済み核燃料プールに対してホウ酸水の注入が行われた。これは、使用済み核燃料プール内に建屋のがれきが落下したことで冷却水がアルカリ性になり、使用済み核燃料を乗せているアルミニウムのラックが腐食するおそれがあるため、酸性を示すホウ酸水を注入して中和しようという措置である。