2014年12月5日金曜日

無期懲役

読み方:むきちょうえき
別名:無期懲役刑
英語:life imprisonment

懲役刑のうち、刑期が満了になる時期を決めずに無期限で懲役を科する刑罰。無期刑として科せられる懲役刑。

無期懲役の判決が確定した場合、拘禁施設へ収容された受刑者(被収容者)は、特別に仮釈放が認められることがない限り、残りの生涯を拘禁施設の中で過ごすことになる。

無期懲役には終わりがない、とはいえ、反省や更正の状況などにより仮釈放が認められる場合はある。必ずしも無期懲役が「一生涯にわたる懲役刑」になるとは限らない。

もっとも、無期懲役刑の服役者に仮釈放が認められる事例は稀とされる。たとえ仮釈放になって社会に戻ったとしても、依然として刑期中の身であることに変わりなく、保護観察の対象である。これは後の生涯にわたって解除されることがない。

日本では、無期懲役は基本的に死刑に次ぐ重い刑罰として運用されている。ただし、期間が決まっていないことから、無期懲役の判決が下された時点では刑の実質が絶対的に死刑に次ぐ過酷な刑となるかどうかは分からない。

なお、無期限で科される刑は「無期刑」と呼ばれるが、無期刑には無期懲役の他に「無期禁錮」が含まれる。ただし無期禁固は現在ほぼ全く適用されておらず、実質的に無期刑といえば無期懲役を指すようになっている。

無期刑のうち、仮釈放の可能性がなく無条件で一生涯の服役が科せられる刑を特に指す場合は、「終身刑」あるいは「重無期刑」の語が用いられることが多い。2014年現在、重無期刑の制定が(死刑制度廃止に伴う措置として)議員連盟により呼びかけられている。

ちなみに、中国には「執行猶予付き死刑判決」(死刑執行猶予)という制度があり、死刑執行までに設けられた2年の猶予期間に無期懲役(終身刑)へと減刑される場合がある。日本では死刑判決が確定した後に減刑されることはない。

関連サイト:
無期刑受刑者の仮釈放の運用状況等について - 法務省