2011年10月5日水曜日

ラドンガス

希ガス元素の一種で、原子番号が66の放射性をもつ気体。無味無臭、水に溶けやすい。ラドンは岩石中のウランやトリウムといった物質が放射性壊変することで生成される。天然でもいくらか存在している。ごくごく微量のラドンガスが水中に溶け込んだ「ラドン温泉」は、適度な細胞への刺激による免疫力向上などの効能をもつ湯として広く知られている。

ラドン温泉に含まれるラドンガスの放射線量は、一般市街地で計測される放射線量の2倍~3倍程度とされる。もし何らかの形でラドンガスを過度に体内に取り込めば、内部被曝による放射線障害が起こりえる。

2011年10月、神戸薬科大や東北大などによる共同研究チームは、東日本大震災が発生する半年前頃から、大気中のラドンガスの濃度が漸増したのち急減するという大きな変化を見せていたことを突き止め、発表した。

なお、神戸薬科大は1995年の阪神・淡路大震災の際も、放射線医学総合研究所などと共に震源周辺地域の大気中のラドンガス濃度を観測しており、やはり地震発生の前に数値の顕著な変化があったことを報告している。

関連サイト:
兵庫県南部地震前に大気中ラドンの濃度変動を観測 臨界現象数理モデルへ適用し地震予知に活用も - 独立行政法人 放射線医学総合研究所