2012年7月4日水曜日

ポロニウム210

別名:Po-210
英語:polonium-210

ポロニウムの放射性同位体。半減期は約138日。天然にごく微量が存在する。強い毒性を持つことでも知られる。

ポロニウム210は主にアルファ線を放出する。アルファ線は皮膚を透過しないため、外部被曝の危険性は少ないとされる。体内に取り込まれた場合には少量でも深刻な内部被曝をもたらす。

ポロニウム210が放出する放射線量は天然ウランの約100億倍に上るとされる。緊急被ばく医療研究センターによれば、ポロニウム210が数百ナノグラム体内に取り込まれただけでも死亡する可能性があるという。

2012年7月3日、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、2004年11月に死去したアラファト・パレスチナ自治政府初代大統領の突然死の原因がポロニウム210による毒殺である可能性があることを報道した。

ポロニウム210は、2006年に元ロシア連邦保安局(FSB)職員であったアレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)がロンドンのホテルで何者かにより毒殺された事件においても使用されたことが知られている。

関連サイト:
Arafat's widow calls to exhume his body - Al-Jazeera
Yassar Arafat poisoned by polonium, Al-Jazeera report says - the Telegraph
ポロニウム210に関する情報 - 緊急被ばく医療研究センター
ポロニウム210に関する情報 - 放射線安全研究センター