2013年7月11日木曜日

生活保護

読み方:せいかつほご
英語:Livelihood Protection

生活に困窮する貧困世帯に対して国が扶助を行い、最低限度の生活水準を保障すると共に自立を促す制度。1950年に制定された生活保護法を根拠として実施されている。日本国憲法が「生存権」として規定する「健康で文化的な最低限の生活を営む権利」を守るための制度である。

国民が最低限度の生活水準を実現できるか否かは、国が算定している「最低生活費」を得られているかどうかによって判断される。困窮世帯は、あらゆる努力を払ってもなお最低生活費を得られない場合、自治体が設置している福祉事務所に生活保護の受給を申請できる。申請を受理した担当により、やむを得ないと判断された場合、最低生活費から収入額を差し引いた差額が給付される。

生活保護は、受給要件を満たす全ての困窮世帯に無差別・平等に適用される。ただし、困窮世帯は生活保護の受給に先立ち、就業・資産の売却・親族の扶養を受ける・他の給付制度を活用する、といったあらゆる手を尽くさなくてはならない。生活保護申請者の3親等内の親族は扶養義務者と呼ばれ、扶養義務が発生する。しかし現実には、扶養義務があって扶養する経済的余裕もある親族が、なお扶養を断るケースもままあるとされる。

生活保護の受給者の数は、終戦から何年も経っていない生活保護法施行当初(1951年)をピークとして、以降1990年代半ばまで減少し続けていた。しかしそこから生活保護の受給者は増加に転じ、以来増加の一途を辿っている。2010年代に入っても増加傾向は続いており、2011年には受給者数が200万人を超えた。生活保護による総支給額はこの時点で既に3兆円を超えている。

関連サイト:
生活保護制度 - 厚生労働省