2013年1月29日火曜日

北京咳

読み方:ペキンせき
別名:ペキン咳

中国・北京を訪れた人が北京滞在中に発症するとされる呼吸器疾患の通称。重度の大気汚染を原因とする。外国人が北京にしばらく滞在すると、咳が止まらなくなり、北京を離れると咳は止むという。

「北京咳」はあくまで通称であり、このような病名があるわけではない。また、大気汚染による健康被害のリスクは、北京に限ったものではなく、中国国内のいくつもの大都市圏が共通して抱える問題である。

大気汚染の度合いは、主に「PM2.5」と呼ばれる微粒子の大気中濃度により測られる。PM2.5は粒子直径2.5マイクロメートル以下の微粒子の総称であり、呼吸器の深部に到達しうるため健康被害に直結するとされている。大気汚染の度合いを指標化する「大気質指数」(Air Quality Index)では、PM2.5の大気中濃度の指数が100を超えると汚染が認められるレベルとし、同じく指数が300を超えると、有害・危険なレベルであるとしている。300を超えると健康な人でも炎症その他の健康被害が危惧され、外出や野外活動は自粛するように勧告される。

大紀元日本語版は、2012年12月に北京の大気汚染指数が「557」を記録し、2013年1月12日には北京の在中米国大使館で「886」の値を記録したことを報じている。

また、大紀元は、北京、上海、広州、西安の4大都市におけるPM2.5を原因とする死亡者の数が、2012年内だけでも8500人に上ったと伝えている。

関連サイト:
基準値はるかに超える空気汚染指数 北京「国情に符合」 - 大紀元日本語版 2012年12月11日
北京咳 深刻化する大気汚染 PM2.5で死者8500人 - 大紀元日本語版 2013年1月15日
北京の大気汚染深刻化 外国人悩ます「北京咳」 - 人民網日本語版 2013年1月23日
北京市内の大気汚染について - 在中国日本国大使館 2012年10月