英語:ricin
猛毒として知られるタンパク質の一種。唐胡麻の種子から抽出できる。致死量は150マイクログラム。
リシンを大量に含む飲食物を摂取したり、静脈などに注入されたりすると、消化器・循環器をはじめ複数の臓器が炎症を起こし、壊死するに至る。
日本救急医学会はリシンを「容易かつ安価に生成でき、毒性が高く、エアロゾルとして安定で、特異的治療法やワクチンがない」ため「生物兵器」として捉えることができる、としている。実際、ヒマシ油を生産した際に生じる屑から大量のリシンを得ることができる。
米国ではリシンを利用した殺人および殺人未遂事件がたびたび発生している。2013年4月16日にも、共和党の上院議員ロジャー・ウィッカーに宛てて送られた封書から、事前検査の過程でリシンが検出されている。