2013年7月19日金曜日

戦時作戦統制権

読み方:せんじさくせんとうせいけん

その地域において有事の際に軍の作戦を統制する権限。特に朝鮮半島における戦時作戦統制権を指して用いられることが多い語である。

1950年から53年にかけて起きた朝鮮戦争では、朝鮮半島に国連軍が派遣された。当時の国連軍は米国主導であったこともあり、韓国は自国の軍の作戦指揮権を国連軍部に譲り渡していた。作戦指揮権は、53年に締結された米韓相互防衛条約によって現在の「作戦統制権」という名称に変更された。

北朝鮮の脅威が増大したことを背景に、韓国国内では作戦統制権を自国主導に移管するべきだとの意見が強まる中、1978年に発足した米韓連合軍司令部はこの戦時作戦統制権を国連軍から引き継いだ。

2006年、盧武鉉大統領とブッシュ大統領は戦時作戦統制権の移譲について合意した。当時の盧武鉉政権は戦時作戦統制権を取り戻すことを主要な政策の一つとみなしていた。一方で、2010年に発足した李明博政権では、戦時作戦統制権の移譲延期の議論が活発化した。

核実験を行うなど強硬な姿勢をとる金正恩政権誕生後の北朝鮮によって、朝鮮半島の安保環境が悪化しているとの見解から、韓国国防省は戦時作戦統制権の移譲を再延期する提案をした。再提案以前は、2015年12月に戦時作戦統制権が米軍から韓国軍に移譲される予定だった。