2013年10月28日月曜日

バイオリーチング

英語:Bioleaching

溶剤で溶けにくい鉱石から金属を製錬する際に、バクテリア(細菌)などの微生物の活性を利用して鉱石を溶解させる技術。

例えば、硫化銅鉱石から銅を取り出す場合、溶剤として主に硫酸が用いられているが、硫化銅鉱石は硫酸に溶解しにくいので、製錬が困難かつ非効率的である。そこで、バイオリーチングの技術を適用し、溶剤に硫黄酸化細菌と鉄酸化細菌を加えることが行われている。加えられた細菌の活性により、硫化銅鉱石中に含まれる硫化鉄が酸化され、銅が硫酸銅の形で溶解して浸出するメカニズムとなっている。

バイオリーチングを行うと、従来の製錬法よりもコストを抑えることができ、二酸化硫黄の排出量も軽減できるといわれている。バイオリーチングの技術は、2013年10月現在、既にいくつかの種類の鉱石に対しては実用化が行われているが、黄銅鉱のような一次硫化銅鉱を対象とした実用化は未達成であり、研究が進められている。2013年10月には日本の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が、チリのコピアポ鉱山で、バイオリーチングによる銅抽出の大規模な実験をスタートさせた。

関連サイト:
バクテリア使い銅を抽出 日本が新技術開発、チリで実験 - 47News