2014年3月18日火曜日

クリミア独立宣言

読み方:クリミアどくりつせんげん
別名:クリミア共和国独立宣言

2014年3月にウクライナのクリミア自治共和国議会が表明した、ウクライナから独立するという宣言。クリミア自治共和国およびセヴァストポリ特別市を「クリミア共和国」として独立した上で、ロシアへの編入を図るというもの。3月半ばに行われた国民投票の支持を受けて採択された。

ウクライナでは2013年半ばから「ユーロマイダン」と呼ばれる反政府デモ活動が展開されていた。2014年2月に大規模な衝突に発展し、第4代大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチは政治機能を失い首都から離脱、その間に野党が政権を掌握し暫定政府を築いた。

ヤヌコーヴィチは親ロシア派として知られる。2013年当時目前まで進めていたウクライナのEU編入の取り組みをヤヌコーヴィチが破棄したことから、政権打倒の機運が一気に高まったとされる。代わって政権を掌握した野党政権は親EU派とされる。

ヤヌコーヴィチ政権の崩壊と並行してロシアはクリミア半島へ軍事派遣を実施、事実上クリミア半島を掌握した。クリミア自治共和国議会はロシアへの編入の是非を問う国民投票の実施を発表し、10日ほど後に投票を実施した。投票率は8割を超え、有効票の9割6分は編入に賛成した。

ウクライナ暫定政権の議会議長および大統領代行を務めるトゥルチノフは、クリミア独立宣言は無効とした。他方、ロシアのプーチン大統領はクリミア共和国を独立国として承認する構えを見せた。


なぜクリミア半島がロシアへの編入を望み、またロシアもクリミア半島の編入を望むか、その理由としては、クリミア戦争を含む歴史的経緯をもって解説されることが多い。住民もロシア系の移民が多い。

関連サイト:
世界の扉 「住民投票前に緊張高まるクリミア」 - NHK解説委員室 解説アーカイブス