2015年5月12日火曜日

エボラ出血熱

読み方:エボラしゅっけつねつ
別名:エボラ熱
別名:エボラウイルス疾患
別名:エボラウイルス感染症
別名:エボラウイルス病
別名:エボラウィルス疾患
別名:エボラウィルス感染症
別名:エボラウィルス病気
英語:Ebola Virus Disease
英語:EVD

エボラウィルスを病原とするウィルス性の出血熱。近年、公式名称が「EVD」に改められた。

エボラ出血熱は中央アフリカで集中的に発生・蔓延している。1970年代にはじめて確認され、以来、断続的に流行している。一度の流行で数十名から百名以上の死者を出している。2014年現在、ワクチンも効果的な治療法も確立されていない。

エボラ出血熱は致死性が極めて高いことで知られる。感染した患者が死に至る確率は70パーセント以上とも75パーセント以上とも、場合によっては90パーセントを超えるケースがあるとも言われている。感染危険度の目安としてもしばしば参照されるバイオセーフティレベル(BSL)では、エボラ出血熱は最高ランクの「グループ4」に分類される。

エボラ出血熱への感染をもたらす自然宿主は、コウモリではないかと推定されているが、2014年現在では特定には至っていない。なお、エボラ出血熱は動物にもヒトにも感染するズーノーシス(人畜共通感染症)であるが、とりわけヒトに対する感染力と致死性が高い。ヒトからヒトへの感染力もきわめて高い。

2014年3月に、ギニアでエボラ出血熱の発症および流行が確認された。国境なき医師団(MSF)は、3月末時点で死者78名、感染の疑われる患者は120余名に上っていると報告した。その後もエボラ出血熱の流行は感染拡大を続けている。

2014年8月には、WHOが西アフリカでエボラ出血熱による死者が880名を超えたと報告した。同月、西アフリカのリベリアでは非常事態宣言が出された。9月初頭には死者が1900人を超えた。

エボラ出血熱はさらに拡大感染を続けており、局地的な大流行(アウトブレイク)の域を超えて世界規模(パンデミック)に至る可能性が濃厚になりつつあると危惧されるに至っている。アフリカに滞在した後に飛行機で移動し、空港到着後に発熱、エボラ発症の疑いで緊急隔離される、といった騒ぎがスペイン、米国、日本などでも起こっている。

2014年11月には、エボラ出血熱による死者が5000人を超えた。WHOが発表した。

リベリアで2014年8月に発令された非常事態宣言は、2014年11月に解除された。その後エボラ出血熱の勢威はごく緩やかにではあるが収束してゆき、2015年5月にはリベリアでエボラ出血熱の流行終息が宣言されるに至った。ただしギニアやシエラレオネなどでは依然としてあらたな感染者が出続けている。

関連サイト:
ギニア:エボラ出血熱が「前例のない規模」の流行に - 国境なき医師団 2014年04月01日掲載
ギニア共和国: エボラ出血熱、首都で4件の発症を確認 - 日本ユニセフ
エボラ出血熱について(ファクトシート) - 厚生労働省検疫所
Ebola virus disease (EVD) - WHO(世界保健機関)
Ebola outbreak deaths pass 5,000 - BBC News, 12 November 2014