読み方:チンチョロぶんか
別名:チンチョロ文明
別名:チンチョロ人文化
別名:チンチョロ族文化
別名:チンチョーロ文化
別名:チンチョロー文化
英語:Chinchorro culture
紀元前数千年の時代に南米にいた「チンチョロ人」によって築かれた文化。ミイラ(特に子供のミイラ)の存在が知られている。
チンチョロ人は南米の中ほど、現在のチリ北部・アタカマ砂漠付近で狩猟生活を営んでいたとされる。紀元前7000年頃に興り、紀元前5000年頃に大きな文化的発展を遂げた。この頃は付近で気候変動のあった事がわかっており、気候変動によって自然の恵みが得やすい環境がもたらされ、人口の増加、および文化の発展につながったものと推測されている。発見されたチンチョロのミイラも、古いものはこの頃に製作されている。
その後チンチョロ文化は徐々に衰退してゆき、遅くとも紀元前1000年までに滅んだ。
チンチョロ文化の所産とされるミイラの多くは子供のミイラであり、顔ないし頭部がマスクで覆われている。性別は男女いずれの例もある。これまでに見つかっているミイラのうち最も古いものは、紀元前5000年頃に作られたと推定されているが、これは紀元前3000年頃に興った古代エジプトよりもさらに2000年以上前の事例であり、世界最古のミイラの例となっている。
チンチョロ文化の子供のミイラは2013年に国立科学博物館「特別展 グレートジャーニー」で展示されたことがある。
2014年5月には、チリの海岸部のほぼ北端部に位置する丘、モーロ・デ・アリカ(Morro de Arica)から、チンチョロ文化のミイラが発見された。なお、モーロ・デ・アリカは、前月にチリの沖合で起きたマグニチュード8.2の地震により、地すべりが発生している。
関連サイト:
砂漠のミイラ文化、チンチョーロ - National Geographic News August 14, 2012
Chinchorro Culture - About.com
Why the South American Chinchorro People Made the First Mummies - Public Radio International
国立科学博物館 特別展 グレートジャーニー 人類の旅 - 国立科学博物館