英語:cherry picker
小売・マーケティング関連の用語で、特売の時期にのみ来店し、特売品のみ購入して帰る客のこと。美味しいところだけ摘んで、他には目もくれない客。
特売セールは、在庫処分の目的で行われる場合もあるが、買い得な商品を用意することで店舗に足を運ぶきっかけを提供し、他の商品にも興味を持ってもらったり、リピーターになってもらったり、といった付随的な効果によって総体的な売上げ向上を図る、といった目的で行われる場合もある。
人気商品をセール価格で販売すると、当の特売品だけでは利益がまったく上がらなくなるが、来客が増えて他の商品も購入してもらえる機会も増える。結果として全体の利益増に結びつく。しかしチェリーピッカーは他の(特売対象でない)商品を頭から無視しているため、利益増を見込むことができない。
チェリーピッカーは特売が実施されているタイミングしか来店しない。特売にチェリーピッカーが押し寄せることで店は混雑し、業務オペレーションの混乱が生じるなどの支障を来す可能性がある。それによって、従来から店舗を利用しているリピーターが来店を敬遠してしまう懸念も生じる。とはいえ、露骨にチェリーピッカーを阻止する対応をとれば、チェリーピッカーにとってもリピーターにとっても店舗のイメージは悪くなりかねない。いかにしてチェリーピッカーの悪影響を最小限に留めるかは小売業における課題の一つといえる。