2017年8月30日水曜日

1万円札廃止論

読み方:いちまんえんさつはいしろん
別名:一万円札廃止論
別名:万札廃止論

貨幣経済の是正・最適化や経済活性化のために日本は高額紙幣である1万円札を廃止するべき、という見解。ハーバード大学教授の経済学者ケネス・ロゴフ(Kenneth Rogoff)の提言として知られる。2017年8月の日本経済新聞にも掲載された。

高額紙幣を廃止すると、高額の取引を中心に電子決済の比率が自ずと高まる。このため、現金保有による脱税やマネーロンダリングといった違法行為の抑止や、マイナス金利政策の強化といった効果が見込まれる。所持している現金を強奪されたり、現金不足が生じたり、偽札を掴まされたりする懸念も減る。

海外では高額紙幣の廃止に乗り出している国も少なくない。2016年にはインドが1000ルピー札の廃止を(実施数時間前に突如として)発表し、世界的な話題と現地の混乱を呼んだ。

日本は先進国の中でも突出して現金流通額が多いとされているが、この背景には治安の良さ(偽札や追い剥ぎに遭うリスクの少なさ)などもある。国内では、大局的には1万円札廃止論には懐疑的な立場を取る見解も多い。

関連サイト:
1万円札が消える日~現金は無くなるか~ ― ニッセイ基礎研究所
日本での高額紙幣廃止論 ― NRI Financial Solutions