2018年5月30日水曜日

古伯耆物

読み方:こほうきもの

平安時代の中期~後期に制作されたと推定される日本最古級の刀。戦前に奈良の春日大社で見つかった無銘の一振りが、2018年初頭に古伯耆物であることが判明し、注目を集めた。

平安中後期は今に伝わる日本刀(湾刀)が登場した最初期である。その意味で古伯耆物は日本刀の原形に通じる刀とも言い得る。

古伯耆物は現在の鳥取県米子市周辺で栄えた伯耆国(ほうきのくに)で作られたと伝えられる。平安中後期の伯耆国は国宝「童子切」太刀の制作者として知られる安綱の一門を輩出した地である。古伯耆物も無銘ではあるが安綱作の可能性があるとされている。