2018年8月1日水曜日

香害

読み方:こうがい
読み方:かおりがい
別名:香り害

芳香剤や洗剤・柔軟剤などに含まれる香り成分が、頭痛や吐き気をはじめとする体調不良・健康被害を招く、という問題の通称。

洗剤、石けん、芳香剤、制汗剤などのような日用品の多くには、少なからず香料が含まれている。この香り成分はごく微量の化学物質でもある。強い香り成分に囲まれて生活する環境は「化学物質過敏症」を引き起こす恐れがある。化学物質過敏症はいったん発症すると微量の香り成分にも反応して体調不良に陥ってしまうという。

「香害」という表現そのものは、香り・匂いに起因する心身への悪影響を(「公害」をもじって)呼んだ表現といえる。その意味では、きつい香水の匂いやタバコ臭などに嗅覚を刺激されて不快感を催すという状況も香害と呼ばれ得る。ただし、そういった不快・嫌悪の対象はもっぱら「スメルハラスメント」(スメハラ)と呼ばれており、影響が健康被害にまで及ぶ「香害」とは区別されている。

香害は当事者でない多くの人に理解されにくいという困難がある。大多数の人にとっては香りが多少きつくても健康被害に及ぶとは思われず、無頓着になりやすい。香料使用を控えてもらいたいという訴えは、神経質なスメハラ告発と見なされてしまいやすい。

日本消費者連盟は2017年夏に電話相談室「香害110番」を開設して相談に応じた。一時的な開設ではあったが期間内に200件を超える相談が寄せられたと報じられている。

関連サイト:
香害110番 ― 特定非営利活動法人日本消費者連盟