日本で西暦1989年1月8日から2019年4月30日までの期間に用いられた元号。「昭和」の次。1989年1月7日に昭和天皇が崩御、これを受けて当時皇太子でいらした明仁親王が翌8日に即位し、同日「平成」へ改元されることとなった。
2016年、在位中の陛下が退位(譲位)の意向を公にされ、翌2017年には陛下が2019年に退位されることが正式に閣議決定した。天皇が崩御によらず存命中に退位した先例は約200年ほど前の江戸時代まで遡る。異例ではあるが、前代未聞というわけではない。マスコミの多くは一連の動向を「生前退位」という呼称を用いて報じた。
元号は伝統的に漢籍(漢文で書かれた古代中国の古典文書)に由来する字句が用いられている。「平成」の字は、「史記」(五帝本紀)に見える「内平外成」ならびに「書経」(大禹謨)の「地平天成」という記述に由来するとされる。地平かに天成る、内平かに外成る。いずれにしても平和の成就への願いが込められた名であることが窺える。
なお「平成」を英語で記述する場合は Heisei era あるいは Heisei period のような表現がおおむね妥当といえる。「平成29年」なら 29th year of the Heisei period (in the Japanese calendar) のように表現しうる。むろん大抵の場面では西暦に換算して表記する方が適切といえる。
元号は原則的に既存の地名や固有名と重複しないよう細心の注意のもと選定される。ただし平成の場合は「平成」と書いて「へなり」と読む地名があった。
元号が「平成」と決まり、発表され、平成の世を迎えてからは、新元号「平成」にちなんだ名称も登場し(「平成駅」「平成小学校」「平成国際大学」「平成天才バカボン」「平成狸合戦ぽんぽこ」等々)、1990年代や2000年代を「平成の時代」という意味で「平成の怪物」「平成ゴジラ」という風に修飾語的に用いられることも多々あった。