2020年10月13日火曜日

フェミニスト

英語:feminist

フェミニストとは、フェミニストの意味

フェミニストとは、「女性解放論(フェミニズム)」に賛同し、男性優位主義を打破するために具体的な行動を起こしている人を指す言葉である。簡単にわかりやすくいうと、男女の不平等をなくしたいと主張する人々ということである。英語では feminist と書く。もともとのフェミニズムは男女平等を目的として、フランス革命以降、18世紀のヨーロッパで生まれた社会運動だった。そして、フェミニズムは徐々に規模を拡大し、20世紀以降は世界中で支持者を得ていく。

いずれのフェミニズムでも、「性差別をなくし、女性らしさが自然に肯定される社会を作る」という根底の意味は変わらない。また、女性を家庭に閉じ込めたり、職場で男性のサポート役をあてがったりするなどのステレオタイプ的な価値観にもフェミニストは反対する。フェミニズムの高まりは、女性の社会進出、参政権の獲得といった、多くの大事件に貢献してきた。

1990年代以降のフェミニズムはさまざまな主義主張と混じり合い、定義を枝分かれさせていく。その結果、結婚や家庭すら批判する「ラディカル・フェミニズム」、男性との闘争を好まない「リベラル・フェミニズム」など、対照的な意味を持つフェミニズムも生まれている。また、フェミニストの観点から経済論や人種、セクシャル・マイノリティーといった社会問題を語る人々もいる。現代的なフェミニズムは、人間社会が抱えている、偏った思想を明るみに出すための手段のひとつになってきた。

フェミニストの語の対義語

フェミニストの対義語として、「アンチ・フェミニスト」が挙げられる。アンチ・フェミニストは特定の政治的主張を掲げているというより、フェミニズムそのものに反対する人々である。アンチ・フェミニストの原動力は、過激なフェミニストへの嫌悪感、男性の地位が揺らぐことへの不安など、ひとつには絞り切れない。また、フェミニストが女性差別的なフィクション作品や標語に反対する姿勢を「言葉狩り」とみなし、敵意を向けるアンチ・フェミニストもいる。

次に、「ミソジニスト」もフェミニストの対義語にあたる。ミソジニストは女性蔑視(ミソジニー)を抱きながら、意識的にも無意識的にも男性の女性に対する優位性を主張してきた。たとえば、組織内でのセクハラ、パワハラ問題には旧態依然としたミソジニーが絡んでいることも多い。ミソジニストは女性らしさが男性らしさよりも劣ると考える。そのため、男女平等が思考の根底にあるフェミニストとは、敵対する傾向にある。

「マスキュリスト」もフェミニストの大儀として知られてきた言葉である。マスキュリストとは、男性主義(マスキュリズム)を肯定する人々のことである。そもそののマスキュリズムは「男尊女卑」という意味だった。しかし、現代的なマスキュリズムは「男性への差別をなくすための運動」を表している。マスキュリストは社会において、男性こそが差別されていると説く。そして、マスキュリストは女性が優位になった社会構造を、再び平等にしようと呼びかけている。その点で、女性が被差別者だとするフェミニストの見解とマスキュリストの主張は大きく異なっている。

著名なフェミニストの活動歴

21世紀の日本を代表するフェミニストとなったのが石川優実である。グラビアアイドルや女優として活動していた石川は、芸能界で女性蔑視的な価値観に何度も遭遇してきた。そして、2017年以降、#MeToo運動に賛同する形で、自身が受けた性差別を告発していく。2019年に石川は、女性にパンプスを強要する社会に対し、「#Kutoo運動」を展開する。石川は、たとえ仕事や就職活動の場であっても、女性が必ずしもパンプスを履く必要はないと主張した。#Kutooは2019年度の新語・流行語大賞を受賞し、海外でも大きく報道された。

ビヨンセもフェミニズムを支援する有名人として知られている。アメリカでミュージシャン活動を行っているビヨンセは、世界中でファンを獲得している大スターである。一方で、彼女は男女平等に関する発言も積極的にしてきた。2014年、ビヨンセはテレビ番組でのステージに「FEMINIST」という言葉を掲げた。2016年に発表したアルバム「レモネード」でビヨンセは夫の不倫問題を告発しながら、抑圧された女性の解放をテーマのひとつに盛り込んでいる。

フェミニストを公言する男性も多い。俳優のダニエル・ラドクリフもフェミニストである。2014年にラドクリフは、国連でフェミニズムに関するスピーチを行ったエマ・ワトソンを称賛した。ラドクリフは「フェミニストに反対する理由がない」という発言も残している。ラドクリフのように、フェミニストへの理解を示す形で女性の社会活動を支援しようとする男性もいる。

フェミニズムの語義

そもそもフェミニズムとは、18世紀のフランスで広まった運動だった。女性たちの意識の変化は、1789年のフランス革命をきっかけとする。フランス革命では、身分差別を撤廃し、人民の権利を尊重するよう国家が再編されていった。その流れで、男女平等を実現させ、真の意味での自由な社会を築いていこうとする活動も生まれた。この活動はヨーロッパ中に拡散し、フェミニズムとして認識されるようになる。18世紀から21世紀初頭までの女性解放運動は「第一波フェミニズム」と総称されてきた。

当初、フェミニズムはフランス革命の中心人物からも批判されるなど、決して好意的には受け止められなかった。しかし、フェミニズムに共感する識者たちが登場し、援護したことで徐々に世間からも理解されていく。やがて、女性解放運動はアメリカにも渡り、大規模な集会が開かれるようになった。1949年にはシモーヌ・ド・ボーヴォワールの「第二の性」が出版され、現代的なフェミニズムの礎となる。「第二の性」以降に再燃した社会運動が「第二波フェミニズム」である。

その後も世界中のフェミニストたちは、「ウーマン・リブ」「ライオット・ガール」などの男女平等を目的とした社会活動を生み出してきた。映画や音楽でも、フェミニズムを反映した作品が増えていく。21世紀に入ってからのフェミニストたちはSNSを駆使し、「#MeToo」をはじめとする運動を展開した。#Metoo運動は新時代のフェミニズムとして注目され、性差別を行ってきた一部の男性著名人を失脚させた。