2014年5月15日木曜日

強制起訴

別名:強制起訴制度

検察官が「起訴する必要なし」と判断した事件について、検察審査会が強制的に起訴すること。2009年の検察審査会法改正により導入された。

強制起訴は次のような過程を経て行われる。

1. 検察審査会が起訴相当の議決を下す。
2. 検察官による再捜査が行われ、起訴するかどうかを決める。ここで起訴した場合は通常の「起訴」となる。
3. 検察官による再捜査でも起訴相当と判断されなかった場合、検察審査会も再び審査を行う。
4. 検察審査会の再審査において、やはり起訴相当であるとの議決が下された場合、強制起訴が発動する。

検察審査会は一般国民の中から選出された「検察審査員」で構成され、検察官の起訴・不起訴の判断の妥当性などを審議する機関として機能している。検察審査の制度そのものは戦前に導入された制度であるが、これまで検察審査会には検察官の不起訴との判断を覆す権能はなかった。検察官が再捜査した上でやはり不起訴との判断を下せば、起訴されず不起訴となった。強制起訴の制度が導入されたことで、検察官が不起訴とした事件も起訴することが可能となったことなる。

強制起訴は、2009年に導入されてから5年の間に8件実施されている。2014年5月には強制起訴され有罪判決が確定した初の事例が出た。この8件の中には、いわゆる「陸山会事件」絡みで強制起訴された元民主党代表の小沢一郎が含まれる。ただし小沢一郎には無罪判決が下されている。

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