2011年4月19日火曜日

チェルノブイリ原子力発電所事故

読み方:チェルノブイリげんしりょくはつでんしょじこ
別名:チェルノブイリ発電所事故
別名:チェルノブイリ原発事故
別名:チェルノブイリ事故
英語:Chernobyl disaster

1986年にソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所(2011年現在のウクライナに位置する)で発生した深刻な原発事故。原子炉(4号炉)が炉心溶融(メルトダウン)ののち再臨界によって爆発、火災とともに大量の放射性物質が飛散した。現場にいた作業員などの多くが急性放射線障害によって死亡。周辺地域の住人にも放射線被ばくによる甲状腺がんに罹患するなど、深刻な健康被害をもたらしている。

チェルノブイリ原子力発電所事故は、「国際原子力事象評価尺度レベル7」に位置づけられ、世界最悪の原子力事故として世界的に知られるようになった。なお、4号炉はコンクリートポンプ車などによって「石棺」(サルコファーク)と通称されるコンクリート塊の中に炉ごと封じられた。

2011年3月11日に東京電力福島第一原子力発電所で起きた原発事故では、当初「国際原子力事象評価尺度レベル5」と発表されたが、原子炉から大気中に放出されたと見られる放射性物質の検出量が数十万テラベクレルの水準に上ったことから、4月12日に「国際原子力事象評価尺度レベル7」へと暫定的に引き上げられた。これによって福島の原発事故が「チェルノブイリ並み」の深刻さであることが印象づけられることとなった。

他方、福島原発ではチェルノブイリ事故に比較すれば作業員や周辺地域への深刻な放射線被害も見られず、実害から言うとレベル4程度かそれ以下の水準だ、とする見解もある。

ちなみに、福島原発では炉内を冷却する装置が停止し、放水作業による炉心の冷却を続けているが、4月17日に発表された計画案では、原子炉格納容器ごと水で満たして常時冷却する案が検討されている。この処置が、通称「水棺」と呼ばれている。