2011年5月2日月曜日

ドライキャスク

別名:乾式キャスク
別名:乾式金属キャスク
別名:乾式容器
別名:使用済燃料乾式貯蔵容器

「使用済み核燃料」を中間貯蔵する際に用いられる容器、または、その容器を用いた使用済み核燃料の保管方法。「使用済み核燃料プール」(貯蔵プール)による保存の代替手法として利用される。

ドライキャスクは、鋼鉄やコンクリートなどで作られる。これで使用済み核燃料を密閉し、「ドライキャスク保管施設」(ドライキャスクストレージ)内で空冷保管される。水を使用しないため、扱いが比較的容易であるという利点がある。ドライキャスクの手法により、おおよそ100年程度の保管が可能といわれている。

ドライキャスクは中間貯蔵の手法であり、一定期間保管された後には、六ヶ所再処理工場などのような再処理工場へ輸送されるか、またはフィンランドの「オンカロ」のような最終処分施設に埋設処理される。ただし、2011年現在、日本にはまだ最終処分を行う施設はない。

東京電力福島第一原子力発電所では、使用済み核燃料プールとドライキャスクの両方式が採用されている。福島第二原子力発電所では使用済み核燃料プールのみとなっている。福島第一原発で2011年3月に発生した原発事故により、核燃料を冷却するため外部からの放水・注水を余儀なくされ、大量の汚染水が生じている事態を受けて、2011年5月1日現在、ドライキャスクの積極的採用が検討されている。

なお、単に「キャスク」と言った場合、一般的には、使用済み核燃料を輸送する際に用いる容器を指す。