2011年4月29日金曜日

海の汚染水

読み方:うみのおせんすい

2011年3月に東京電力福島第一原子力発電所で発生した原発事故により、海洋中に流出した、放射性物質を大量に含んだ水(汚染水)のこと。

原発事故の影響により、福島第一原発では施設から海中に汚染水が漏れ出す事態が発生し、また、高濃度放射能汚染水の保管先を確保する目的で玉突き排水が行われ、4月初頭に、濃度の低い汚染水が海中に1万トン以上放出された。

東電は福島県沖で海中の放射線濃度の観測を行っているが、原発事故による汚染水の放出によって、国が定める基準の4000倍を超える放射性物質(放射性ヨウ素)が検出される事態となった。その後、シルトフェンスによる拡散阻止などの対策がとられ、海の汚染水の拡散はある程度阻止された。沖合いでの観測値は4月後半までに基準値以下まで下がっている。

4月29日現在、東京電力は、シルトフェンスの内側に貯まっている海の汚染水を処理するための「循環装置」を5月中に設置すると発表した。循環装置は「ゼオライト」が持つ放射性物質の吸着効果を利用し、汚染水から放射性物質を除いていくことができるという。