2011年7月10日日曜日

メルトアウト

英語:melt-out

メルトアウトとは、原子力施設における事故(原発事故)で核燃料が原子炉格納容器を破壊し、原子炉建屋の床部分も突き破って、建屋の外側に漏出すること。

原発事故において、冷却システムのトラブルなどによって核燃料の冷却がうまくいかなくなると、核燃料が溶け出して原子炉圧力容器の下側に凝集しはじめる。これを「メルトダウン」という。融けた核燃料はさらに高温となり、圧力容器の底を熱で破壊して圧力容器の外に出る。これは「メルトスルー」と呼ばれている。さらに、圧力容器を破壊して原子炉格納容器に落ちた核燃料が、熱で原子炉建屋を破壊、施設外に出る。これが「メルトアウト」と呼ばれている。

建屋の外(底)に突き出ると、周囲の土壌などは放射線による深刻な汚染被害をうける。地下水が流れていた場合には、放射性物質が水を汚染して広範囲に拡散する。場合によっては、超高濃度の放射線物質汚染水が、海洋に運ばれ、世界規模で大規模な放射能汚染を及ぼす可能性もある。