2011年9月12日月曜日

建屋カバー

読み方:たてやカバー
別名:原子炉建屋カバー

東京電力福島第一原子力発電所で2011年3月11日に発生した原発事故において、破損した原子炉建屋から放射性物質が飛散することを抑止するために設置が進められている、特殊布を用いた覆い。

建屋カバーの原理は原子炉建屋の外側に覆いを被せることで放射性物質の飛散を抑えるというシンプルなもの。同時に、雨水などが原子炉建屋へ浸入して汚染水の量を増やすことを防ぐ目的もある。素材は樹脂加工したポリエステル製のシート(塩化ビニル樹脂コーティング・ポリエステル繊維織物)である。

建屋カバーは、1辺が約50メートル前後で、直方体に近い形となる。組立ては作業員ができるだけ現場に近づかずに済む方式として、コンクリートの土台に柱を据え付け、嵌め込み接合の工法でシートを張るという方式が採用される。

建屋カバーの設置は、5月半ばより計画の検討が開始され、およそ1月後の6月半ばから原子炉1号機に対する準備工事が開始された。1号機原子炉から着工し、3号機、4号機と順次設置される予定となっている。2011年9月10日に、1号機原子炉を建屋カバーで覆うための骨組みの完成が発表された。

関連サイト
福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋カバー計画概要と本体工事の着手について - 東京電力株式会社 2011年6月14日