2012年4月2日月曜日

老齢加算

読み方:ろうれいかさん

生活保護において70歳以上の受給者に上乗せして支給される加算額。1960年代に設けられたが、2003年から制度の見直しが進められ、2006年までに全廃された。

老齢加算は、高齢者は他の世代よりも生活費が余計に必要であるという考えに立脚していた。加算額は地域によっても異なるが、おおむね月額1万5000円~1万8000円程度が上乗せして支給されていた。老齢加算を加えると基礎年金の満額支給を上回る場合もあったという。また、同一世帯に生活保護受給者に該当する70歳以上の高齢者が複数人いる場合、それぞれに対して老齢加算が支給される。

政府が老齢加算の廃止を決定・実施した後、全国9箇所で「老齢加算の廃止は憲法が保障する生存権の侵害にあたる」とし、行政の減額決定の取り消しを要求する訴訟が行われた。2010年6月に福岡高等裁判所の控訴審で原告が逆転勝訴した。他の8ヵ所では原告の訴えは退けられた。

2012年4月、最高裁判所は福岡高裁の判決を退け、審理を差し戻すよう命じた。