2012年10月25日木曜日

亀尾フッ酸ガス漏出事故

読み方:クミフッさんガスろうしゅつじこ
別名:亀尾市フッ酸ガス漏れ事故
別名:亀尾フッ酸ガス漏れ事故
別名:亀尾フッ化水素酸漏出事故
別名:亀尾フッ酸漏出事故

韓国慶尚北道亀尾市にある工業団地付近で2012年9月27日に発生した事故。劇物のフッ化水素酸(フッ酸)が漏れ出し、工業団地とその近隣一帯が災害を受けた。

亀尾市は韓国でも有数の工業都市として知られる。亀尾フッ酸ガス漏出事故は第4工業団地で発生した。タンクローリーで運ばれてきたフッ酸を貯蔵タンクに移す作業中、ホースをつけずにバルブを開いたため、高圧でフッ酸が噴出したのだという。

フッ酸は無色の液体で、金属やガラスを腐食させる性質などがよく知られている。人体に対する毒性はきわめて高く、少量でも重度の化学火傷、失明、内臓の機能不全、および、死の危険がある。大気中に拡散したフッ酸を吸い込むと、咳、喉の痛み、胸焼け、頭痛、下痢、だるさ、吐き気などの症状を呈する。

亀尾フッ酸ガス漏出事故の現場でフッ酸をタンクに移しかえていた作業員は、フッ酸に曝され、まもなく死亡している。フッ酸ガスは現場周辺地域に広がり、工業団地に勤務する多くの労働者と近隣の住宅地へ拡散した。

10月23日付けの朝鮮日報記事によれば、事故発生から10月23日までの間に、工業団地勤務者と近隣住民、合わせて1万1000人以上が、皮膚や呼吸器の異常を訴えて病院で診療を受けたという。この時点で死者は合計5名に上っている。

事故現場周辺の亀尾市山東面鳳山里の一帯は、10月8日に「特別災難地域」に指定され、政府主導による支援・救済措置の対象となった。周辺の農地で栽培されていた農作物からは高濃度のフッ酸が検出され、全て廃棄される見通しであるという。

関連サイト:
フッ酸漏えいの亀尾地域、特別災難地域に指定 - 東亜日報 2012年10月9日
フッ酸ガス漏れ工場、3年前にも事故=韓国 - 中央日報 2012年10月11日
フッ酸ガス事故:被害者の医療費、政府が全額負担へ - 朝鮮日報 2012年10月23日