2012年10月25日木曜日

フッ酸

読み方:フッさん
別名:ふっ酸
別名:フッ化水素酸
別名:ふっ化水素酸
別名:弗化水素酸
英語:Hydrofluoric acid

フッ化水素の水溶液。無色透明で刺激臭がある。第2類特定化学物質に指定されている劇物である。

フッ酸には強い腐食作用がある。そのため、ガラスや半導体の表面加工、金属類の洗浄・サビ落としなど、多種多様な用途に用いられる。

フッ酸の人体に対する毒性はきわめて高い。皮膚や粘膜を著しく刺激し、腐食させる。皮膚に付着した場合、重度の化学火傷を負う。細胞をぼろぼろに破壊しつつ深部に浸透していき、骨までダメージをもたらす危険がある。目に入ると失明する可能性が高い。

蒸発して大気中に含まれたフッ酸も危険である。フッ酸を吸い込むと呼吸器がダメージを受ける。胸焼け、咳、喉の痛み、頭痛、下痢、だるさ、吐き気などの症状に加え、心不全をはじめとする内臓の機能不全に陥る危険がある。

フッ酸を取り扱う場合には、ポリエチレンをはじめとするプラスチック素材の手袋で肌を防護することが必須となる。もし皮膚に触れた場合は大量の水で長時間洗い流す必要がある。

2012年9月27日、韓国慶尚北道亀尾市内の化学工場で、数トンのフッ酸を積載したタンクローリーからフッ酸が漏出する事故が発生した。2012年10月23日までに5名が死亡し、1万人を超える人が異常を訴えて病院で診療を受けたという。

関連サイト:
化学物質等安全データシート フッ化水素酸  - 昭和化学