2013年12月26日木曜日

たる爆弾

読み方:たるばくだん
別名:タル爆弾
別名:樽爆弾
英語:barrel bomb

樽状の容器に、火薬(TNT)や釘などの金属片を詰めた焼夷弾の一種。シリア内戦において、アサド政権側の軍事勢力が使用していることが知られている。

たる爆弾は、2012年8月のホムス空爆が映像に捉えられたことをきっかけとして公に知られるようになったが、アサド政権は当初、たる爆弾の存在を否定していた。その後、アサド政権が行った空爆において、たる爆弾の使用事例が複数回確認されている。2013年11月から12月にかけて、アレッポなどシリア北部の諸都市に対して、たる爆弾を用いた空爆が繰り返し行われ、1週間で子供を含む数百人の一般住民が死亡したとされている。

たる爆弾は、アサド政権による化学兵器の使用が国際的な非難を受けたことに伴い、化学兵器の代替手段として用いられるようになったとする見方もある。たる爆弾は、通常の爆弾よりも殺傷力や破壊力は弱く、命中率にも劣っているとされているが、製造が容易であることが知られている。たる爆弾を用いた攻撃は無差別的となる傾向が強く、破壊される範囲が広いことから、一般住民に被害が生じやすいことが指摘されている。