2013年12月26日木曜日

進行性骨化性線維異形成症

読み方:しんこうせいこつかせいせんいいけいせいしょう
英語:FOP
英語:Fibrodysplasia Ossificans Progressiva

特定の遺伝子の異常によって骨組織が異常増殖し、全身の筋肉やその周囲の組織が骨に変化していく病気。200万人に1人が発病するとされる稀な病気であり、2013年現在、有効な治療法がない。2007年に、厚生労働省により特定疾患(難病)に指定された。

進行性骨化性線維異形成症が進行すると、関節を動かすことが困難になり、自力で歩行などの動作ができなくなるほか、呼吸や摂食などにも障害をきたすようになる。栄養管理の改善などによって生存率は向上したものの、患者は30歳まで生きることは稀だといわれている。外傷や筋肉内注射などが骨化を誘発することが知られているため、手術をはじめとする侵襲的な治療を行うことはできず、患者が転倒などによって傷つかないように細心の注意が必要とされる。

2013年12月に、京都大学の研究グループが、iPS細胞を用いて体外で進行性骨化性線維異形成症の症状を再現することに成功したと発表した。従来、患者からの細胞採取が病状を悪化させることから、病気のメカニズムを解明し、治療薬を開発するための研究が阻まれてきたが、iPS細胞を用いることで細胞採取の機会を減らすことができるため、研究がより進むことが期待されている。

関連サイト:
Induced pluripotent stem cells from patients with human fibrodysplasia ossificans progressiva show increased mineralization and cartilage formation - Orphanet Journal of Rare Diseases