2014年3月10日月曜日

フィナステリド

別名:フィナステリド錠
別名:フィナステライド
別名:フィナステライド錠
英語:finasteride

米国のメルク社が開発した、男性型脱毛症(AGA)の治療薬。男性ホルモンの一種、テストステロンの作用を抑制する効果を持つ。本来は前立腺肥大症の治療薬として開発されたが、脱毛に効果があることが明らかになった。

フィナステリドは1991年に開発され、1997年にアメリカ食品医薬品局(FDA)による認可を受けた。日本では2005年に輸入販売が認められ、MSD株式会社により「プロペシア」の商品名で販売されている。日本皮膚科学会は2009年に発表した脱毛症治療のガイドラインで、プロペシアを「リアップ(ミノキシジル)」とともに、「強く推奨する」として最高のAランクに置いた。フィナステリドには、脱毛を抑制する効果(育毛効果)はあるものの、ミノキシジルのような発毛効果はないとされている。しかし、臨床試験ではある程度の発毛効果も認められている。

フィナステリドの副作用としては、「初期脱毛」がよく知られている。これは、フィナステリドの服用により新陳代謝が亢進し、服用後3日から1週間で脱毛が起きるとされる現象であるが、MSD社は初期脱毛の症状を公式には認めていない。しかし、肝機能悪化の副作用は比較的確実性が高いとされており、販売元も肝機能障害の患者が服用した場合の安全性を確認できないとしている。

フィナステリドは成人男性用の薬品であり、女性や小児には使用してはいけないとされている。特に、妊娠中の女性が服用した場合、胎児の生殖器などに奇形が生じる可能性があり、割れた錠剤などに触れる行為も危険とされている。また、厚生労働省は、フィナステリドの個人輸入を控え、医師の処方のもとで正しく服用するよう呼びかけている。

関連サイト:
プロペシア(PROPECIA)(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起について - 厚生労働省