2014年3月10日月曜日

三胴船

読み方:さんどうせん
別名:3胴船
別名:トリマラン
別名:トリマラン船
英語:Trimaran

3艘の船を並行に連結した船のこと。双胴船(カタマラン)に、さらに1艘の船を連結したものである。三胴船の中央の船は「主船体」、左右の船は「副船体(サイドハル)」とよばれる。

三胴船は、没水部が少なくなることで水の抵抗が減少し、高速航行が可能になるため、レース用のヨットやボートに採用されることが多い。フェリーや軍艦に採用されることもある。特に近年は、船体を極端に細長くし、船首を鋭い形状にした「ウェーブピアサー型」の三胴船が建造されており、直進方向への高速航行が可能になっている。また、三胴船は通常の船よりも甲板面積が広いため、軍艦ではより多くの航空機を運用できるという利点がある。

三胴船は、通常の船や双胴船よりも安定性に優れており、航行中の横揺れが減少し、転覆しにくくなっている。その一方で、一旦転覆すると、その状態で安定性が高くなってしまうので、元の状態に復帰させるのが難しいという欠点もある。

2014年に日本の防衛省と米国の国防省は、相互防衛援助協定(MDA協定)に基づき、三胴船の新型戦艦を共同開発する方針を発表した。米国は三胴船の沿海域戦闘艦(LCS)、「インディペンデンス」を2010年から運用しており、時速72キロメートルでの高速航行や、「CH-53 シースタリオン」のような大型輸送ヘリの搭載を実現している。米国側は、日本の技術を三胴船開発に取り入れることにより、性能向上とコストダウンを期待しているとされる。

関連サイト:
平成25年度予算の概要 - 防衛省