2014年3月6日木曜日

右派セクター

読み方:うはセクター
別名:Пра́вий се́ктор
英語:Right Sector

ウクライナの首都キエフを中心に活動し、しばしば「極右団体」や「過激派」などと形容される政治団体。

右派セクターは、2014年3月現在、およそ2千人から3千人の構成員を擁するとされている。構成員は主に民族主義者とされており、一部の者は反ユダヤ主義やナチズムの思想を掲げているともされている。右派セクターは、右派政党として知られる「全ウクライナ連合・自由」と密接な関係にあるともいわれている。

右派セクターは、複数の右翼団体の連合組織として、2013年末から2014年の初めにかけて設立された。当時、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ政権に対する反政府デモ(ユーロマイダン)が加熱する中で、右派セクターは、政府、野党連合に続く「第三勢力」として、急速に勢力を拡大した。反政府デモが次第に過激化していった背景には、右派セクターの影響があったともいわれている。右派セクターは、政府を批判するとともに、野党連合に対しても「革命を恐れている」などとする批判を行っていた。

右派セクターは、ヤヌコーヴィチ政権の崩壊後は、キエフ市内で自警団としての活動を行っていることが報じられている。また、指導者らがイスラエル大使館を訪れ、自らの団体が反ユダヤ主義や狂信的な愛国主義を掲げていないことを説明する出来事もあった。

2014年3月に右派セクターの指導者、ドミトロ・ヤロシ(Dmytro Yarosh)は、チェチェンを中心とした北カフカス地方で活動する武装過激派組織、「イマラト・カフカス」の指導者、ドク・ウマロフに対して、「ウクライナへの支援」を求めた。ドク・ウマロフは、国際テロ組織「アルカーイダ」と強い繋がりを持つテロリストと見なされていることから、ロシア連邦捜査委員会はドミトロ・ヤロシを国際指名手配した。