2014年3月13日木曜日

マラッカ海峡

読み方:マラッカかいきょう
別名:Selat Melaka
英語:Strait of Malacca

マレー半島とインドネシアのスマトラ島を隔て、太平洋とインド洋を繋ぐ海峡。全長は約900キロメートル、幅は約70キロメートルほどである。マラッカ海峡の南東端には、海峡最大の貿易港であるシンガポールが位置する。

マラッカ海峡は、大型のタンカーやコンテナ船などが多数往来する、世界的な海上交通の要衝である。しかし、水深が約25メートルほどしかないことから、通航できる船の大きさが限られている。マラッカ海峡を通航できる最大の船は「マラッカマックス」と呼ばれており、それを超える「ポストマラッカマックス」の船は、ロンボク海峡やオンバイ海峡などを経由する迂回路を選択する必要がある。

日本にとってマラッカ海峡は、石油、石炭、天然ガス、ウランなどの輸入に必要不可欠な海上交通路であり、最重要のシーレーンの一つとして位置づけられている。特に、中東からの日本への石油輸入の多くは、マラッカ海峡を経由している。中国にとっても、マラッカ海峡は輸入される石油の約8割が経由する地点であり、重要性が高い。中国は近年、米国などによる海峡封鎖の可能性を視野に入れて、ミャンマーのパイプラインなど、マラッカ海峡に依存しないルートの開拓も進めている。その他の国々にとっても、マラッカ海峡の地政学的重要性は高く、「チョークポイント」の一つに数えられる。

マラッカ海峡周辺では、古くから海賊の被害が問題となっており、特に18世紀から19世紀にかけての植民地時代には、ポルトガル、オランダ、イギリスなどの宗主国が海賊により大きな被害を受けた。近年も、インドネシアの反政府組織などが商船などを狙った海賊行為を行い、国際問題となっている。2005年に国際海事機関(IMO)とインドネシア政府は「ジャカルタ会議」を共催し、マラッカ海峡およびシンガポール海峡における安全確保の国際的枠組みを協議した。

関連サイト:
IMO・インドネシア共催マラッカ・シンガポール海峡に関するジャカルタ会議の結果について - 国土交通省