2014年10月23日木曜日

サムスンショック

別名:サムスン電子ショック
別名:三星ショック

韓国のサムスングループ、あるいは同グループの中核企業であるサムスン電子が、急速な成長鈍化や業績低迷などによって世間にもたらす衝撃。2014年半ばに明らかになった不調を指す場合もあれば、これから起こる可能性のある決定的な危機を指している場合もある。

サムスングループは韓国最大の財閥であり、その規模は韓国のGDPの2割ほどに上るとも言われている。同財閥最大の企業がサムスン電子である。サムスン電子の主力事業は「GALAXY」シリーズを中心とするスマートフォンの端末製造であり、これが同社の営業利益の7割程度を占めるとされている。つまり、スマートフォン事業の斜陽化はサムスンの衰退・没落につながり、サムスンの没落は韓国経済の危機に直結し得る。

サムスン電子は2014年7月末に、2四半期連続で減益となったことを明らかにした。2013年10月から12月にかけての四半期においてサムスン電子は2年ぶりの減益となったが、続く2014年3月までの四半期も減益となった。この事実を「サムスンショック」と呼ぶ場合がある。

このサムスン電子の不調の背景には、競合する中国メーカーの台頭などによるスマートフォンのシェアの急減、スマホ市場自体の飽和、スマホ以外の主力製品たり得る製品分野の不足、および漸進的なウォン高、などのような要因があると指摘されている。

2014年のサムスン電子の失速を受けて、同社に部品を供給してきた企業が規模縮小に乗り出すといった影響も出ている。同社にバッテリーを供給している日立マクセルは、2014年10月、受注急減を理由として早期退職者の募集を発表している。