別名:ドケルバン症候群
別名:ケルバン腱鞘炎
別名:狭窄性腱鞘炎
別名:親指の狭窄性腱鞘炎
別名:de Quervain病
英語:de Quervain disease
親指の付け根部分に生じる腱鞘炎。親指を動かす腱を覆っている鞘状の組織(腱鞘)が、激しい動きなどによって炎症を起こしたもの。同症状を研究し報告したド・ケルバンの名に因む。
指の骨は腱によって筋肉とつながっている。筋肉の収縮は腱を通じて指に伝わる。腱鞘は筋肉の収縮を損なわずに指先に伝える点において重要な機能を果たしている。腱は、筋肉の収縮・弛緩に伴い、腱鞘の中を行き来する格好になる。指をよく使う人は、腱と腱鞘に負担をかけやすく、そのため腱や腱鞘の炎症を生じやすい。
腱鞘炎にかかると、腱鞘が腫れ、腱が腱鞘の中を滑らかに行き来しづらくなる。指を動かそうとするたびに痛みが生じる。
ドケルバン病は、腱鞘炎のうち特に親指の骨を接続する腱の腱鞘に生じた炎症を指す。腱鞘炎一般と同様に、指を多用する人に生じやすい。特に親指を使用する機会の多い人に生じやすい。また、ホルモンバランスの乱れは腱鞘炎を引き起こしやすくするとされており、若い女性や更年期の女性などは比較的腱鞘炎にかかりやすいという。
最近ではスマートフォンをはじめとするモバイルデバイスが普及しており、入力操作などで親指を使用する機会が増えている。このため、ドケルバン病を発症するリスクも高まりつつある、と指摘する見解がある。
ドケルバン病にかかった場合の対処法としては、できるだけ指を動かさないようにして炎症を早期に回復させるといった対応が主となる。ドケルバン病にかからないようにするためには、指を酷使したり、過度の負担をかけないよう意識・工夫することが重要となる。
関連サイト:
ドケルバン病 - 公益社団法人日本整形外科学会