2017年8月24日木曜日

報道しない自由

読み方:ほうどうしないじゆう

報道機関が、公平な報道という理念に立てば報道してしかるべきといえる情報を、自らの主義主張にそぐわない、あるいは、その報道機関が共鳴する組織や人物によって都合が悪いといった理由で、報道せずに見過ごす(見て見ぬふりをする)というあり方を指す表現。いわゆる偏向報道の一端。

報道しない自由という表現は「報道の自由」をもじった言い回しである。報道の自由(freedom of press)は、報道を通じて事実を伝達する権利であり、国民の「知る権利」や「表現の自由」に照らして自明の権利と解釈される。

近年、新聞やテレビといった大手マスコミの報道が恣意的な取捨選択を経ているのではという疑義が少なからず提示されている。オンラインメディアがマスコミに比肩する情報源となり、ソーシャルメディアが普及して拡散されやすくなったことも、疑義の声の高まりを後押ししているといえる。

報道しない自由は、新聞やテレビの報道が特定の立場に偏っている(ように思われる)さまを揶揄もしくは非難するキーワードといえるが、ことテレビのニュース番組においては放送法第4条における「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」といった規定に抵触する(違法行為に該当する)という観点から、特に是非が問われる。

2015年に発足した、識者を中心とする任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」は、テレビ報道における放送の公平さや事実の正確な報道を訴えるべく活動している。

関連サイト:
放送法遵守を求める視聴者の会